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2012年10月28日 (日)

”脱原発先進国”ドイツから、日本が真に見習うべきこと。

"脱原発"を支えるのは政府や大企業に頼らない市民の実行力だ! 南ドイツの「地域暖房」や「エコハウス」を視察して感じたこと

※from 町田徹「ニュースの深層」 

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/33855

 「黒い森」南部の保養地セント・ペーター村で、地元の林業エンジニアが中心になって事業化に漕ぎ着けた廃材利用の「バイオマス地域暖房」システム。補助金はもちろん銀行融資さえ受けられなかった時代に市民が建てたフライブルク市ボウバン地区のエコマンション――。

 先週(10月16日から6日間の日程で)、視察した南ドイツで、センスの悪い政治家や既得権に拘るユーティリティ企業に依存することなく、市民たちが自らの手で再生可能エネルギーへの切り替えや節電に取り組む姿を見ることができた。

 ドイツでは、こうした市民たちのコミュニティベースの取り組みが端緒になって国策が見直されている。福島の原発事故を機に原発への反対を強める多くの国民と、そうした要求を経済性・実現性を無視した空理空論と決め付ける経済界の間の大きなギャップを埋められないでいる日本にとって、とても大きなヒントになり得るのではないだろうか。

 北九州市など国内の環境都市のモデルとして名高いフライブルク市から車で小一時間。海抜720m前後のカンデル山中腹に広がる、セント・ペーター村。決して広大な面積を持つわけではないが、1093年に大きな修道院が築かれたのがきっかけで開かれた歴史あるヨーロッパらしい古い山村だ。

 1890年代に、その修道院が閉鎖された時と、1970年代から80年代にかけて「酸性雨」に見舞われた時の2度にわたって、セント・ペーター村は存亡の危機に見舞われたものの、なんとか切り抜けてきた歴史を持つ。

 現在の村の人口は2550人。ギリシア、スペインの財政破綻に端を発した欧州経済危機の真っただ中にあって、環境・エコを売り物に高成長を維持して失業率を3%前後に抑え込んでいるフライブルク市の北東に隣接する幸運もあって、「人口は増加傾向にある」(ルドルフ・シューラー村長)。

 そのセント・ペーター村に、今年1月、村民の自慢のタネがまたひとつ増えた。復活した「黒い森」の林業の副産物である廃材をチップ化したバイオマスを主たる燃料に使う地域ぐるみの暖房施設が稼働したのだ。

 この暖房施設は、バイオマス燃料でお湯を沸かし、地下に埋設した全長9.2kmの配管を通じて200戸に熱湯を循環させて地域ぐるみで暖房をする仕組みだ。

 この設備でのバイオマスの使用率は全体の95%あまりに達する。石油はバックアップ用に限定しており、その使用量は5%程度に過ぎないのだ。この結果、これまでと比べると年間約80万kl分の石油を節約できたばかりか、同じく2100㌧分のCO2の排出削減(効果)も実現したという。

何よりも凄いのは、主燃料の木材チップが従来は使途がなく廃棄していたもみの木などの廃材を原料としていることだ。この結果、事業主体は住民組合の形式であり、営利事業ではないにもかかわらず、「ビジネスとしても高い採算を誇っている」(マルクス・コナード理事)という。

 その省エネ効果の高さや地元産のバイオマス燃料の使用比率の高さが評価されて、EU、ドイツ連邦政府(復興金融公庫)、バーデンバーデン州の3主体から総投資額の520万ユーロ(約5億2000万円強)に対して、4分の1に当たる125万ユーロの政策支援を受けた。

 これにより、住民組合は給湯ネットワーク1mに付き80ユーロ、住民は引き込み工事1戸に付き1800ユーロの補助を受けている。

 暖房の使用料金は「民間のユーティリティ会社のそれより平均で3割程度安い」うえ、料金構成も、住民にとってありがたいものだ。一般のユーティリティ企業の場合、使おうが使うまいが必要な基本料が70%、使用量に応じた従量部分が30%の構成になっているが、セント・ペーターの住民組合ではこれが逆になっているという。

 これ以外に、住民組合は風力や太陽光の発電設備を保有、発電も行っているが、潤沢なキャッシュフローを活用して、来年1月をめどに木材バイオマスのガス化発電を導入する計画だ。

 セント・ペーター村の積極的な取り組みの推進役として見逃すことのできない働きをしているのが、前述のマルクス・コナード理事のような人物だ。

 コナード氏は、地元の林業のエンジニア出身で、黒い森の2200ヘクタールに及ぶ地域の維持・管理を担当してきた。旧ソ連のチエルノブイリ原発事故や地球温暖化問題に触発されながら、大量に廃棄されていた木材の破片の再利用に着目。エネルギー分野の知識を取得して、当初11人の仲間を集めて運動の核を作り、最終的に200人のコミュニティをまとめあげて、組合活動を進めてきたという。

 今回の視察でもう一つ、筆者が大きな刺激を受けたのが、画期的な節電を可能にするという「パッシブハウス」のフライブルク市のボウバン地区での誕生の物語だ。

 パッシブハウスそのものはすでに日本でも随分紹介されているが、それまでドイツの標準的な家屋で1㎡当たり年220kwh程度だった暖房用のエネルギー消費を、その15分の1近い同15kwh程度に削減できるという画期的なエコ住宅だ。

その誕生物語は、1995年から翌96年頃に遡る。当時、公的機関の補助金は研究開発サイドに限定されており、一般の商業金融機関からは狂気の沙汰とされ、建設資金の融資さえ受けられなかった時代だったにもかかわらず、理系の教育を受けた有志が集まって自腹で素材の調達費や建設費を出し合い、同市で最初のパッシブハウスの集合住宅を建設したというのである。ここに掲載した写真を見ていただきたいが、この4階建ての20戸を対象にした集合住宅が、それである。

 その後、フライブルク市では、こうしたエコな住宅こそが時代の先端をゆくものであり、こうした住宅に住むことに価値を見い出す市民が多かったことから、この種の住宅の建設ブームが起きたという。

 現在、周辺では、パッシブハウスだけでなく、使用するエネルギーより生産するエネルギーの方が大きい「プラス・エナジー住宅」も加わり、様々なエコハウスが所狭しと建設されている。

 ベルリンの出身でフライブルクに引っ越して、ご本人もプラス・エナジー住宅に居住するという、フライブルク・フューチャーラボのディレクター、アストリド・マイヤーさんは「物件が市場に出回るようなことはなく、コネでもないと入居できない状態が続いている」と人気の高さを裏付ける話をしていた。

 結局のところ、こうした人気を無視し続けることができずに、ドイツでは現在、連邦政府(復興金融公庫)の補助金や低利融資を行う制度ができているが、これらの制度は、市民が火を付けたブームに政治が追随したに過ぎないというのである。

 さらに、今回の視察では、ようやく整備された政策支援を批判する声があることも判明した。

 この分野の建築・設計を専門とするカールスベール工科大学のクリストファー・クム教授は講演で、「政府は政策補助の発動基準を設けるにあたって、達成すべき目標を掲げることに徹するべきで、使用する技術に細かく口を出すのは不適当だ。創意工夫の芽を摘んで技術革新を阻害することになりかねない」と強調していた。

 余談だが、同教授は、今日のようにエネルギーが潤沢でなかった時代にこそ、その土地の風土を活かした建築が為されていたという伝統的な建築のノウハウの活用を重視する人物だ。2度にわたって訪日したにもかかわらず見学を許されなかったが、写真などからみて京都の桂離宮が湿度の高い日本の風土に適しているという説も披露していた。

福島原発事故以降、政府のエネルギー・環境政策の見直し議論を取材してきた筆者がこれまで何度も直面したのは、実現性や経済性の議論は二の次にして、原発の再生可能エネルギーへの早急な置き換えを求める市民団体の声と、そうした対応はエネルギーコストの急騰を招いて企業の国際競争力を削ぐと懸念する経済界の深刻な意見のすれ違いだ。

 しかし、今回のドイツ視察で、日本でも重要性が指摘されながら、政府の「画期的エネルギー環境戦略」(9月18日決定)などではほとんど顧みられることのなかった住宅分野の節電の重要性や、コミュニティレベルで採算が取れる地産地消型のエネルギーシステムの構築に関して、政府やユーティリティの大企業に決して頼ることなく、市民が独力で答えを作り出していく逞しい姿を目の当たりにした。

 そうした実行力が、冷ややかだった政治家や企業の抵抗姿勢を改めさせる起爆剤になっていたのである。

今回の視察では、太陽熱の利用のように、日本企業が採算が採れないと数年前に事業化を断念した技術の開発に拘るドイツ企業を始め、容易にはお手本にできないと映るものも存在した。

 しかし、ここに紹介した市民の取り組みや、新技術の実用化の障害になりがちとされるドイツ独特の徒弟制度の弱点を補うための地元中小企業と専門学校の人材育成の試みなど、無視できないものも豊富にあった。

 今一度、こうした海外の経験を総点検して学ぶ姿勢が、閉塞感の強い日本のエネルギー環境問題の見直しには欠かせないのかもしれない。

※関連ポッドキャスト

http://podcast.tbsradio.jp/dc/files/machida20121022.mp3

2012年10月21日 (日)

これは”人事”ではない・・・。『遠隔操作ウィルス事件: 犯行声明に見る犯人像と冤罪を生む刑事捜査の問題点』

※ビデオニュースドットコム ニュース・コメンタリー (2012年10月20日)

遠隔操作ウィルス事件:
犯行声明に見る犯人像と冤罪を生む刑事捜査の問題点 (無料放送中)



他人のパソコンを遠隔操作してインターネット上で殺害予告などが繰り返し行われた事件で、これまでに警察が逮捕した4人がいずれも誤認逮捕だったことがわかり、改めて警察の刑事捜査のあり方が問われる結果となっている。

 今回の捜査はサイバー犯罪の捜査という意味でも、また一般の刑事事件の捜査という意味でも、捜査そのものが杜撰だった。しかし、捜査の杜撰さをとりあえず脇に置いたとしても、逮捕された4人のうち2人が、やってもいない犯行を自供している。そればかりか、犯行の動機まで詳細に供述していた。なぜやってもいない犯罪を自白したり、動機まで詳細に供述するなどということが、起こり得るのか。

 警察庁の片桐裕長官は18日、これまでに逮捕した4人がいずれも「真犯人ではない方を逮捕した可能性は高いと考えている」と語り、その後警察は誤認逮捕された4人に対して謝罪を行っている。

 今回の事件では、6月29日に横浜市のウェブサイトに同市内の小学校への襲撃予告が書き込まれたのを皮切りに、皇族に対する殺害・襲撃予告や航空機、伊勢神宮の爆破予告などが、インターネット掲示板やメールなどを通じてこれまでに13回以上行われたというもの。その後、書き込みに使用されたパソコンのIPアドレスをもとに4人の男性が逮捕され、うち3人は起訴され、1人の大学生は保護観察処分を受けた。ところがその後、押収されたパソコンから遠隔操作ウィルスに感染していた形跡が見つかり、第三者が遠隔操作ウィルスを使用して犯行を行った疑いがあることが明らかになった。

 また、10月9日と10日には、都内の弁護士とTBSラジオのラジオ番組に対して、犯人と思われる人物からメールで犯行声明が送りつけられた。その段階では犯人しか知り得なかった情報が入っていたことから、犯人もしくはその関係者からのものである可能性が高いと見られている。

 サイバー犯罪に詳しい情報セキュリティ専門家の高木浩光氏によると、今回のようなウィルスを感染させた他人のパソコンを遠隔操作して犯罪行為を行う事件自体は、以前から繰り返し起きているという。ただし、今回は犯人の身元が絶対にばれないようにTor(トーア)と呼ばれる匿名サーバーを使っている点から見て、ある程度情報セキュリティに詳しく、また自分の知識に自信を持っている者の犯行だろうと語る。

 また、犯行声明に繰り返し出てくる「警察の醜態を晒したかった」などの警察や検察当局を馬鹿にしたような言説も、インターネット上では定番となっていたという。

 高木氏は今回の犯行があった6月の下旬から8月の上旬は、国会が著作権法を改正して違法ダウンロードを刑事罰化した時期や、ACTAと呼ばれるネット規制を強化する国際協定の批准など、日本がネットに対する法的な規制を強めたタイミングと重ったことを重視する。同月20日に違法ダウンロードの刑罰化が国会でろくな審議もないまま成立し、25日に国際的ハッカー集団のアノニマスが日本の法律に抗議する形で攻撃を仕掛けている。今回の最初の犯行予告はその4日後の29日だった。そのため高木氏は、違法ダウンロードの刑罰化への抗議の意思を表明する意味があったと考えられると語る。

 また、これを犯人がどの程度意識して行っているかは知る由もないが、皮肉にも今回の犯人の手口は、違法ダウンロードの刑事罰化の危険性を現実に体現したものとなっている。今回の犯罪で明らかになったように、インターネット上では他人のパソコンをウィルスに感染させることで遠隔操作ができてしまう。遠隔操作によって違法ダウンロードが行われた場合、もし本人が自分の犯行ではないことを証明できなければ、その人は刑事訴追を受けてしまう危険性がある。ネット上では以前からその危険性が指摘されていたと高木氏は言う。これはまさに今回の事件そのものだ。

 TBSラジオに届いた犯人からのものと見られる犯行声明には、今回犯人は三重県の事件で遠隔操作したパソコンに意図的に「トロイの木馬」を残しておくことで、警察が遠隔操作に気づくように、犯行の手口を具体的に解説している。横浜、大阪、福岡の事件では警察が押収したパソコンからウィルスを見つけることができなかったためパソコンの持ち主が逮捕されてしまった。しかし、4件目となる三重で犯人は意図的にウィルスを残したため、警察はウィルスのファイル名を知ることができた。その後、逆算的に大阪と福岡の事件で押収したパソコンをスキャンして同名のウィルスを探したところ、それを消去した記録が見つかったために、いずれも本人の知らないところで遠隔操作によって犯罪行為が行われていたことが明らかになった。

 つまり、もし今回のように犯人が警察をおちょくる目的で意図的にウィルスを残しておかなければ、いずれの事件でも実際はパソコンを乗っ取られた被害者たちが、脅迫や威力業務妨害の犯人にされてしまう可能性があったということになる。

 高木氏は、過去十年の間にも同様の犯罪がたびたび起き、ウィルスに感染したパソコンの持ち主のプライバシーがネット上に晒されたり、中には被害者が自殺したようなケースまであると言う。そうした犯罪に共通するのは、被害者の感情を無視した「無慈悲さ」だと高木氏は言う。今回の事件でも、仮に犯人の意図の中に社会的正義感があったとしても、取り返しのつかない被害を受けている被害者を出すことを気にしない無慈悲さが、これまでのウィルス犯罪と共通していると指摘する。

 また、今回の事件では4人が誤認逮捕され、長期にわたり拘留された上に、2人は自白までしている。そればかりか「楽しそうな小学生を見て、自分にはない生き生きさがあり、困らせてやろうと思った」などといった犯行動機の供述までが報道されているのだ。これは今回の大失態を見るまでもなく、この番組でも繰り返し指摘してきた点だが、22日間にもわたる代用監獄での長期の勾留、弁護士の立ち会いも認められず可視化もされていない取調室での苛酷な取り調べ、その間繰り返される「犯行を認めれば釈放してやる」の悪魔のささやき等々、明らかに先進国の刑事制度にふさわしくない後進的な刑事司法システムがもたらした結果である。

 今回はたまたま犯人が三重の事件で意図的にウィルスをパソコンに残すことで、4人の無実が事後的に明らかになったが、もし犯人がそれをやらなかった場合に、果たして4人の冤罪が明らかになったかどうか。現在の刑事司法の仕組みでは、はなはだ不安が残る。

 遠隔操作ウィルス事件の犯人の真意とサイバー犯罪の取り締まりのあり方、そして、今回の誤認逮捕の根底にある刑事司法の根本的な問題などを、情報セキュリティ専門家の高木浩光氏と、ジャーナリストの神保哲生、青木理が議論した。

東浩紀氏、ラジオ番組で「福島第一原発観光地化計画」について語る。

from「東浩紀氏による【福島第一原発観光地化計画】


東浩紀氏「・・・チェルノブイリの事故は26年前ですが、あれだけ悲惨な事故だったにも関わらず、実は現に観光地化している。チェルノブイリの石棺と呼ばれる4号炉の前で、ネットで検索すると驚く方も多いが・・・」

「防護服も着ないで一般市民がピースサインをしているような写真がかなりあがっている。やはり25年と言う時間は長く、十分に除染をして、時間をかければ、そこまで放射線量は落ちる。おそらく福島でも落ちる」 

「今だと『観光地化はありえない』という声もあるが、25年も経つと行くようになる。その事を前提として、じゃあその時どういう記憶を我々はそこに残すのか。あともう一つ大事なのは原爆ドーム。」

「原爆ドームは今世界遺産になっているが、最初から残す事が決まっていたわけではない。取り壊すという意見もかなりあった。なぜ残っているかというと、丹下健三が平和記念公園を創った時に…」

「実は残るかどうか分からなかった原爆ドームを一つの軸に据えて公園を設計したのがきっかけとなって原爆ドームを残すという機運が高まり、結果的に世界遺産になっている」

「・・・僕は福島第一原発の事故は、人類の失敗として未来に捨てるべき大きな事故であり、あそこの跡地を世界遺産にするという事も考えていいと思う」

「しかし、今行政の計画を調べるとそこが非常に曖昧で、福島第一原発に関してはまずは当たり前ですが、放射線を封じ込める、現地の復興を考えるという事に頭がいっていて・・・」

「『将来この記憶をどうやって残すか』という長期的プランは全くない」

「全く『官』の方から無いのであれば、逆にこれから『民』の方からしかも、私たちなどこれから25年福島の放射線と付き合っていかなくてはならない世代が提案するのが必要でないかと、こういう計画を始めた」

星浩氏「『官』の方に具体的なアイディアが無いというのは、原発自体をどうしていくのかと腰が定まってない事とも関連していると思うが、東さんたちの原発に対するスタンス、評価、将来の脱原発問題に対しての姿勢はどうか」

東浩紀氏「チームの中にはその点で多様な意見がある。この施設自体は『原発賛成』とか『原発反対』とかいう立場から創るものではないと思う」

「それよりもこの事故の記憶を、この事故をきっかけにして、今までの日本社会をどう総括するかという事、あとこれから復興するにしても、当然の事ながら廃炉作業を継続しなければならない」

「今は、脱原発、反原発、人は簡単に言うが、僕はここまで40年掛けて推進してきた原子力政策というものを、そんなに簡単に方向を変えることは出来ないと思う。現実的に。」

「実際に脱原発を進めるにしても、廃炉技術の技術者を養成していく必要がある。そういうことまで含めて見せていく施設という事を考えている。」

「先ほども述べたが、例えばチェルノブイリは現実に観光地化しているじゃないかという事実をぶつけると、『あ、そうかな』と。今は我々は事故からまだ1年7ヶ月しか経っていないので・・・」

「あの事故の悲惨さから目を眩まされているところがあって、10年、20年というスパンが考えられなくなっている。けれどもやはり、10年、20年ずっと放棄し続ける、あそこをずっと見ないままでい続ける事はない」

「逆に裏返して言うと、完全に事故の記憶が無くなり、事故の前の状態に戻る事も無い。だから、ああいう事故が起きた所を引き受けて、恐らく福島県自体も新しいアイデンティティに生まれ変わっていかなければならない」

「・・・僕らのチームの中には福島県出身の社会学者で『福島論』を書かれた開沼博さんも入って下さっていて、開沼さんが仰っているのは、逆に福島県の当事者達はそんな事考える余裕はないと」

「だから当事者じゃないからこそ出来る『暴論』を、当事者の方にぶつける事で生まれてくるものがあるのなら、それはとても意義のある事ではないのかと仰って下さっていて…」

「おそらくこの問題、まさにみんな腫れ物を触るように触れていて、福島県の被災者じゃないとこんな事考えちゃいけないんじゃないかと思っている方々も多いと思う」

「でも、そのように沈黙を決め込む事自体が、実は福島の記憶に対する風化を結局後押しする事になるし、逆に無責任なんだと僕は思う」

「もしかしたらそれは、当事者の方々の感情を逆なでするかも知れないけど、当事者以外だからこそ考えられるような発想を、向こう側にぶつけて投げ返すということでしか我々は関われない訳ですから…」 

星浩氏「確かに放射能が残り続ける未来にどういうふうに向き合うかという事に対して、皆で真剣に考えていこうという一つの試みのような気がするが」東浩紀氏「そう僕は思っている」

「・・・やはり『福島』という単語をウィキペディアで調べると、皆が連想するのはやはり放射能ですね。英語圏では」

「いや、あれは風評被害なんだ、そんな風に見られたら困るんだという人々の気持ちは分かるが、現実にそう見られてしまっているという事を引き受けて、乗り越えなければいけない。それは福島だけでなく日本でもそう」

「こういう大きな事故を起こしてしまった国というものを、やはり我々は引き受けて前に進まなければならないので、こういう失敗を見たくないという事に対する異議申し立てという側面ももちろん考えて創っている」(了) #tokyofm_timeline
※関連 株式会社ゲンロン ウェブサイト

2012年10月 8日 (月)

"活断層の可能性”!! それでも大間原発、建設再開。

◆ウソに嘘を重ねる大間原発 きょう再開手続き

「子供だまし」などと言うと、子供が怒るだろう。誰が聞いても分かるウソが野田政権の原発政策だ。「原発の新増設は認めない」と言っておきながら、大間原発、島根原発など3原発の建設は認めるというのである。

 原子炉の寿命とされている40年間は稼働するので、2050年代半ばまで新設された原発は動くことになる。「2030年代までに原発をゼロにする」というのも真っ赤なウソである。

 政府の“解禁”を受けて、建設工事の再開をいち早く表明したのが、電源開発株式会社の大間原発(青森県下北半島)だ。北村雅良社長がきょう地元を訪ね、工事の再開手続きに着手することを表明した。大間原発は2008年に建設が始まっていたが、福島原発の事故(2011年)以降、工事が中断されていた。 

 環境団体や市民たちはきょう昼休み、電源開発本社(銀座)の前で「建設反対」を訴えた。

 「電気は足りています。MOX燃料で作った危険な電気は要りません…」。聳え立つような電源開発の巨大ビルに向かってアピールした。

 ウランとプルトニウムを合成したMOX燃料は、近くの「六ヶ所村再処理施設」で製造する計画だ。ところが再処理施設はトラブル続きで稼働していない。電力会社幹部でさえ「当分動かない」と国会議員に話した、という。

 「再処理施設は稼働する」ということにしないと、電力会社は青森県から使用済み核燃料を突き返される。そのため再処理施設で作ったMOX燃料で発電する大間原発を建設する。

 最初のウソを誤魔化すために、新たなウソをつく。いい加減で場当たり的な原発政策を象徴するような話だ。壮大な虚構である。

 大間原発は活断層が施設の下を走る。大地震が起きれば、福島の悪夢が再現される可能性もある。

 庶民にとって「これだけはイヤ」ということを最後に言っておこう。放射能漏れなどのトラブルが起きれば大間のマグロは食えなくなる。

◆Jパワー 大間原発の建設再開へ

http://jp.wsj.com/Japan/Companies/node_522565

日本政府は原子力発電への依存からの脱却を表明しているが、これは青森県で中断している原発建設が地元3自治体の同意を得て再開されることになったため、また後退したようだ。

電源開発(Jパワー)の大間原発(青森県大間町)建設再開は、枝野幸男経済産業相が9月半ばに、新規の原発建設禁止は認可済みのものには適用されないとのコメントを受けて決定された。

 昨年3月の東京電力福島第1原発の事故以降、野田佳彦首相をはじめとする閣僚は原発利用を減らすと述べているが、9月に発表された新エネルギー計画は明確な目標を設定しておらず、政府にとってさまざまな解釈ができる余地がある。

 電力卸業のJパワーによる大間原発の建設は福島原発事故が起きた時に中断。その後は国民の不安を和らげるために棚上げ状態になっていた。同社の広報担当者は「われわれは今朝、大間町、風間浦村、佐井村の全ての関係町村を訪問し、同意を得た」と述べた。

 1日の東京株式市場のJパワー株は上伸し、前週末比5.9%高の2176円で引けた。

 しかし、大間から約23キロメートル離れた、津軽海峡の向かい側にある北海道・函館の人々はこれに強く反発している。函館の工藤寿樹市長は「福島原発事故の主たる要因が完全に調査されていないことから、新規の原発建設は全く受け入れられない」とし、市は「提訴も含めて」どのような措置が取れるか検討していると付け加えた。

 日本の新しい原子力規制当局は9月半ばに発足した。この原子力規制委員会は原発の安全性に関するより厳しい新規制を策定している。委員会の広報担当者は、過去の建設認可を取り消すかどうかの判断はしないが、全ての原発―それが古いものにせよ新しいものにせよ―は来年夏までに発効すると見られる新規制に合致しなければならない、と語った。

 Jパワーは大間原発の商業運転開始の予定を示していない。同社広報担当者は、同社幹部が建設再開決定について説明するため函館を訪れたとし、双方の理解を深めるためならいつでも話し合う用意があると述べた。

 福島原発事故の前に政府が建設を認可した原発は大間1号機、東電の青森県東通1、2号機、中国電力の島根3号機。中国電力は1日、ほぼ完成している島根3号機の仕上げ作業を続けているが、営業運転開始の予定は立っていないとしている。東電の広瀬直己社長は9月末、資金状況が厳しいとして、東通原発の建設再開の予定はないと述べている。

◆大間原発活断層 置き去りの活断層 国は一方的に存在否定

http://ameblo.jp/souldenight/entry-11240519663.html

「あるはずない場所」に位置特定

電源開発が青森県大間町で建設中の大間原発近くの海底に「未知の大規模な活断層」があるとの専門家の指摘を、国が一方的に否定する文書を作っていたことがわかった。

東日本大震災後、各地で活断層の再評価が進むが、大間は置き去りにされたままだ。

最短で約23キロの距離にある対岸の函館市を中心に道内で反対の声が高まる中、その存在があいまいなまま震災後に止まった工事は再開されるのか。

「渡辺ほかが示す活断層を確認することができなかった」

東洋大の渡辺満久教授は、国の原子力安全・保安院が2010年4月に作成した文書を昨年秋に目にし、愕然とした。

活断層が専門の変動地形学者で、08年秋に広島大の中田高名誉教授らとともに「(大間原発がある)下北半島沖の津軽海峡に活断層がある」と、日本活断層学会で発表。

それを一方的に否定されていたからだ。
 
文書は、大間原発から約30キロ東に離れた下北半島に建設される使用済み核燃料の中間貯蔵施設の安全審査で、原子力安全委員会から渡辺氏らが指摘した活断層について見解を求められ作成。提出されていた。

強い力が働いて地層や岩石が過去に繰り返し大きくずれたことがあり、今後もずれる可能性があるのが活断層だ。ずれ動く時に地震が起きる。

陸上では、地面を掘って地層のずれから活断層を見つけられる。海底ではこの手法は難しく、音波で海底の様子を把握するのが中心だ。

保安院が否定の材料に使ったのは、電源開発が08年5月の大間原発着工前に実施した音波探査記録だ。
 
渡辺氏らが問題視するのは、その否定の仕方だ。渡辺氏は「強い力でずれ動いた活断層は海底を盛り上がらせ、急な崖を作ることが多い。だから活断層は急な崖の根元にある、とまず考えるのが常道だ」と話す。
 
ところが、保安院が文書で「渡辺らによる推定活断層の位置」として矢印で指し示し、「確認できなかった」とした地点は水平な海底が多かった。

渡辺氏は「そんな場所に活断層が存在するはずがない」と指摘する。
 
そもそも活断層学会で渡辺氏らは、海底活断層が存在する理由を詳しく論じる一方、位置は地形図をスライドで示して大まかに説明しただけだった。

「想定する位置はどこか、との照会も一切なかった」のに、保安院はその位置を特定した文書を作った。文書の存在を知ったときは「稚拙で意図的だ」と感じた。
 
朝日新聞社は保安院に文書作成の背景に関する記録を情報公開請求したが、文書が存在しないとの回答だった。

保安院耐震安全審査室は取材に「事業者が参考までに作成した図を引用した。活断層の位置を特定したものではない」と、文書で回答した。

中間貯蔵施設を持つ会社の広報担当者は「渡辺氏らとは話し合っていないが、活断層の位置がちょっと違っても活断層の有無を判断する議論の本質には影響しない。音波探査記録はすべて分析した」と反論した。
 
10年春の中間貯蔵施設の安全審査で保安院幹部は「大間の審査は結論が出ている」と、活断層の議論に釘を刺した。当時、原発推進は国策。

渡辺氏らは「国は活断層の存在を認める訳にはいかないのだ」と感じた。

大震災後、「脱原発依存」に変わっても、渡辺氏らが求める活断層の存在を前提とした大間原発の安全審査のやり直しが行われる兆しはない。

■海岸線の隆起は「地震」
■国は否定説追認、学者ら異論
 
東洋大の渡辺満久教授と広島大の中田高名誉教授らは、土地の変形を手がかりに活断層を見つけてきた。

中田氏は、島根原発(松江市)で中国電力が否定していた活断層の調査に乗り出し、陸地を掘ってその存在を証明した実績を持つ。
 
「大間原発沖に海底活断層がある」と2008年秋に指摘した根拠は、海岸線の隆起だ。
 
下北半島の大間崎周辺にある約12万年前の海岸線の地形。その標高は約60メートル。それが、10キロ南の大間原発近くでは20メートル以下と、急激に低くなっていた。

大間崎周辺では、波で削られた古い時代の浅瀬が隆起し、現在の海面より上に顔を出す「離水ベンチ」(岩棚)が階段状に残っていた。500メートル沖合の弁天島では3メートルの段差が2段あり、陸地となっていた。
 
渡辺氏らは「弁天島の北側、函館寄りの海底から大間原発の地下にもぐり込む活断層がある」と分析。この活断層が繰り返し地震を起こし、海側が隆起した、と結論づけた。
 
そして、地層のずれは津軽海峡に沿って東西に四十数キロに及び、マグニチュード7級の大規模地震を引き起こす可能性がある、と警告する。
 
大間原発の建設許可が出たのは08年4月。

渡辺氏らが海底活断層の存在を指摘した時には審査は終わっていたが、電源開発は指摘を受け再調査に着手、09年秋に結果の一部を公表した。
 
その結果、離水ベンチがあることなどは認めたが、「縄文時代に海水面が下降してできた。土地の隆起は『非弾性変形』と呼ぶ現象」として地震による隆起を否定した。

火山地帯では地下の岩石の温度が高いために変形しやすいとの考え方だ。保安院も、その判断を追認する。
 
だが、海底活断層の存在を指摘する変動地形学者らは増えている。根拠にするのが「断層関連褶曲(しゅうきょく)」との学説だ。
 
地層が波状に折れ曲がって隆起していれば、地下深くに活断層があると考える。柏崎刈羽原発が被災した07年の新潟県中越沖地震では、地震前後に海底を音波探査したが活断層が見つからず、一気に注目された。

電力業界もその学説を認めざるを得なくなったという。
 
東京大の池田安隆准教授は「保安院が推定活断層として示した位置とは別の場所に地層の変形がいくつか読み取れる」と分析。

千葉大の宮内崇裕教授は「地形の変化を分析し、その原因は津軽海峡に活断層があるからでは、というのが渡辺氏らの指摘では重要。ピンポイントで活断層の位置を言い当てようとしたのではない」と指摘する。
 
そして2人は「大間崎沖にも褶曲構造がある。音波探査で活断層が見つからなくても、活断層がないとは言い切れない」と、口をそろえる。
 
一方、電源開発が隆起の原因と主張する「非弾性変形」については、この学説を唱えた東北大の長谷川昭名誉教授ですら首をかしげ、こう指摘する。
 
「非弾性変形は地震波を使って検証する。この学説は東北地方に連なる火山地帯ができた背景、といった大きなスケールでこそ検証できる。大間崎のような限られた場所での実証は無理ではないか」
 
電源開発の再調査には海底音波探査なども含まれる。

すでに調査は終わったとしているが、「なお分析中」として結果は公表していない。

____________________________________________

大間原発訴訟の会は、函館市長へ「大間原発」に関する要請を行いました

http://ameblo.jp/ooma/

 2012年10月1日、電源開発は、一方的に「大間原発建設工事」

再開を函館市へ通告してきました。この電源開発㈱からの一方的通告に

対し、工藤函館市長は毅然と対応されました。

 大間原発訴訟の会は、工藤寿樹函館市長に敬意を表し「大間原発」に

関する要請を行いました。以下、要請文の内容です。




  函館市長 工藤寿樹  様


                        大間原発訴訟の会

                       代 表 竹田とし子 


           大間原発」に関する要請


 日頃の函館市政へのご尽力に敬意を表します。また、この度の電源開発

㈱による「大間原発」建設工事再開の一方的通告に毅然と対応されたこと

を評価させていただきます。

 さて、10月1日の電源開発㈱による「大間原発」建設工事再開につい

ては、「凍結」を求める市長と私たちの立場に多少の違いはありますが、

市長の電源開発㈱に述べられた9項目程の疑問や意見は、私たちばかりで

はなく多くの函館市民、道南の住民が共有している疑問であり意見でもあ

ります。これらに対して、なんの説明もないまま電源開発㈱が「大間原発」

建設工事を再開したことは、断じて許せるものではありません。市長には、

今後とも函館市民の生命と財産を守るという立場から徹底して電源開発㈱と

対峙していただくよう求めます。

 また、この間の「バイバイ大間原発はこだてウォーク」などで提案された

下記の案をお伝えしますので、「大間原発」を「凍結」させるた為に努力し

ていただくよう要請します。

                    
                    記

 
 1 国や電源開発㈱に、一般住民を対象とした「説明会」の開催を求める

   こと。

 2 函館市が主催して、「大間原発」建設計画の断念を求める市民集会を

   開催すること。

 3 「大間原発凍結」の垂れ幕を函館市役所正面に掲げること。

   (市民有志が垂れ幕の寄贈を希望しています)

 4 「大間原発」建設工事の本格再開にあわせて提訴を検討されていること

   ですが、函館市役所内に「凍結」を専門的に担当するチームを創設する

   こと。

   (情報収集等に、民間や他市町村の智恵や手法の活用また連携を強固にす

   るために)

 5 提訴に至る前に、電源開発㈱が「大間原発」建設を断念するようあらゆる

   手段を考え、行動すること。

                                  以上




 


  函館市長へ激励の言葉を送ろう


   函館市総務部   電話  0138-21-3646

            fax 0138-27-6489



 電源開発㈱へ抗議を!

            電話  03-3546-2211

            fax 03-3546-9361
 

_______________________________________________________________

※参考 日テレで放送中の番組『音のソノリティ』のスポンサー、J-POWER(電源開発)が、現在、大間原発を建設中だって、知っていますか?

ふざけんな!!『「何でもあり」復興予算のカラクリ 「日本の再生」拡大解釈』


東日本大震災の復興予算は、なぜ被災地の復興と関係がない使われ方が目立つのか。「何でもあり」のカラクリを解く鍵は、政府の復興基本方針に仕込まれた二つの文言にある。一つ目は「日本経済の再生なくして被災地の真の復興はない」。この考え方の下「被災地に一体不可分として緊急に実施すべき施策」の実行を認めた。二つの文言を錦の御旗に、被災地と全国との関連づけを「作文」した不適切事業が次々に予算化された。


「二〇一一年度からの五年で計十九兆円を震災の復興に充てる」との復興基本方針は昨年七月に決まった。その根拠は一カ月前に制定された東日本大震災復興基本法だ。

 賛成多数で可決された基本法は、「単なる災害復旧にとどまらない活力ある日本の再生を視野に入れる」と規定。基本方針はこの理念を具体化した。

 方針に盛り込まれた「日本経済の再生」の文言は政治サイドの要求で入った、とされる。震災直後は被災地に加え観光産業など全国の企業が海外からの風評被害に遭っていた。文言にはそれらも含めた日本経済を支える「狙い」があり、幅広い事業の予算化に道を開く形になった。こうして流れは整った。

 「霞が関の人間は旗が立てば、わーっと群がる。頭を使い、財務省の目の届かないところでうまく事業を滑り込ませるのはわれわれの習い性だ」。ある官僚は復興予算の使い方をこう解説する。

 実際、予算化に向けて事業の精査が行き届いたとは言い難い。昨年を振り返り、ある財務省幹部は「当時は復興を優先させるため、足りないより過分であった方がいいと査定をあえて甘くした」と認める。

 食料の保管庫建設など、全国の防災・減災のための政策が「全国防災事業」として予算計上を認められた点も、「被災地以外に予算を使う道を開いた」との批判が多い。

 ただ、全国防災事業には別の評価もある。一兆円に上る事業の財源を裏打ちするのは、復興増税に含まれた個人住民税への増税。住民税は地方税で、全国の自治体が執行する裁量を持つ。このため被災地以外の地元の防災事業に使って新たな震災に備えることは、あながち無駄とも言い切れない。

 だが、復興と震災対策を名目に「予算の獲得合戦」に明け暮れる姿勢は厳に正すべきだ。「被災地の復興が最優先」という政府の方針に異論はない。問題は予算の使い方に国民の信頼が得られていない点にある。「被災地に寄り添う」との誓いを空虚にしないためにも、復興予算の精査が求められる。

2012年10月8日 東京新聞

これが復興予算か 国会・政府やっと調査  東京新聞(10月5日)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012100590070344.html

東日本大震災の復興予算が、被災地の再建と無関係な事業などに使われていると指摘される問題で、国会と政府が遅まきながら調査に乗り出し始めた。被災地支援のために、投入された国民の税金が無駄遣いされている実態にどこまでメスを入れられるかが課題だ。ただ、説明を求められた官僚は「日本再生に向けた政府方針に沿って使っている」の一点張り。与党側からは腰の引けた対応も目につく。 (生島章弘)

 衆院決算行政監視委員会(新藤義孝委員長)の平将明理事(自民)は四日、本紙の取材に「二十五年も増税して財源をつくるのに、不適切と思える事業が多い」と述べた。

 同委員会の野党理事は三日、復興財源の使途が不適切だと思える事業に関し、財務省など担当省庁の幹部から事情聴取した。

 この中で、北海道と埼玉県の刑務所で利用する小型油圧ショベルなどを約三千万円で購入した件について、法務省は北海道と埼玉県は被災地に近く、がれき撤去などの仕事に就くための職業訓練に必要と主張した。

 企業の設備投資を国が一部負担する事業(約三千億円)をめぐっては、経済産業省は被災地と取引があるとの理由で、中部や近畿地方の会社を補助対象にしたと説明。このため、岩手、宮城、福島の被災三県には全体の一割未満しか事業費が支出されなかった。

 また沖縄県の国道整備や、首都圏などの国税庁関連施設の耐震化工事などに充てられたケースもあった。本紙取材で、復興とは直接関係のない原子力関連の研究費に流用されていたことも発覚した。

 不適切な使途がまかり通っている理由は、政府が昨年七月にまとめた復興基本方針にある。復興財源で被災地再建に加え「日本再生」にも取り組むと明記した。これにより、復興予算の使途は被災地に限定されないというのが官僚の論理だ。

 野党は「話にならないものがある」と、来週にも同委員会の閉会中審査を求める方針だが、与党理事は消極的な姿勢を示している。

 一方、政府の行政刷新会議は二〇一二年度の全事業について、各府省が予算執行状況を点検した「行政事業レビュー(見直し)」を分析することで、不適切との指摘がある事業についてチェックを進めている。不適切だと判断すれば、各府省に見直しの必要性を指摘する考えだ。

 ただ、復興関連を含め五千事業もあり、復興関連事業に焦点を絞ったチェックが行われているわけではない。漫然と精査すれば、どこまで無駄に切り込めるかは見通せない。

 政府は復興予算として、住民税や所得税の増税などで一一年度から五年間で計十九兆円を確保。所得税は一三年一月から二十五年間増税される。

◆復興相 ”復興予算は被災地に特化へ” NHKニュース

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121007/t10015575591000.html

平野復興大臣はNHKの「日曜討論」で、東日本大震災の復興予算について、震災が起きた去年とは状況が変わってきたとして、今後はできるだけ被災地に特化する形で予算を執行していく考えを示しました。

この中で平野復興大臣は、東日本大震災を受けて、5年間で少なくとも19兆円規模をあてる復興予算について、「すべてが被災地対象ではなく、震災があった去年は、日本経済の落ち込みを防ぐことで復興を果たすという大きな意味で経済対策に予算をつけた。全国防災という形で、次の災害に備えるための予算も入っている」と述べました。
そのうえで、平野大臣は「現在はフェーズが変わり、日本経済は当初想定された衝撃からは脱し、復興予算で手当てする必要がなくなっている。防災事業も、どこまで限定するかという問題がある。さらに個々の予算でみた場合、私からみても、いかがなものかという予算がないわけではない。きちんと精査して、来年度は、できるだけ被災地に特化した予算を作りたい」と述べました。
一方で、平野大臣は、全国の学校や公共施設の耐震化事業について、「災害が起きた場合、復旧・復興の拠点施設であり、緊急にやる必要がある。復興予算で財源を充てても理解を得られるのではないか」と述べました。
また、同じ番組で宮城県の村井知事は、復興予算に関連して、「国民の増税で賄うので、被災地だけにしか使ってはいけないとは思っていないが、われわれに必要な財源は確保してもらいたい。安住前財務大臣は、19兆円から1兆円くらい上積みを考えていると発言していたが、新しい財務大臣は『減額も考えている』と述べ、被災地には非常に大きな衝撃となって伝わった。政治家の発言は重いので、しっかり継承してほしい」と述べました。

※参考

東日本大震災からの復興の基本方針 復興庁(PDFファイル)

http://www.reconstruction.go.jp/topics/doc/20110729houshin.pdf

2012年10月 7日 (日)

日本における”新・次世代エネルギー政策”の夜明けとなるか。『シェールオイル国内初採取 「眠れる資源」開発弾み』

東京新聞:シェールオイル国内初採取 「眠れる資源」開発弾み:経済:経済

 資源開発大手の石油資源開発が三日、秋田県内の油ガス田で国内で初めて新型の原油「シェールオイル」の採取に成功したことで、新たな資源開発の期待が高まった。政府が掲げた「原発ゼロ目標」の実現には、国内でのエネルギー資源確保が重要課題の一つ。エネルギー自給率がわずか4%で資源に乏しいといわれる日本でも技術進歩に伴い、これまでは採取が困難だった眠れる新型資源を獲得できる可能性が広がりつつある。

 Q シェールオイルとはどんなもの?

 A 地下深くにある頁岩(けつがん)(シェール)と呼ばれる固い泥岩層の中に閉じこめられた原油のことだ。これまでは採取が困難でコストも割高だったが、掘削技術の開発と原油価格の高騰で採算が取れるようになり、採掘が可能になった。米国ではすでに生産が本格化している。

 Q 日本ではどれほど採れそうなのか?

 A 石油資源開発は、鮎川油ガス田などの埋蔵量は五百万バレル程度とみている。これは国内で消費される石油のわずか一・五日分の量だ。シェールオイルが豊富とみられる秋田県全体でも想定埋蔵量は一億バレルで約三十日分。現状では決して多くはないが、シェールオイルの含まれる地層は広範囲に分布しており、「さらに周辺地域に埋蔵されている可能性は高い」(経済産業省幹部)。今後、開発規模の拡大が期待されている。

 Q ほかに日本で期待されるエネルギー資源は?

 A 「燃える氷」と呼ばれるメタンハイドレートが有力だ。海底の地層に埋まっているシャーベット状の天然ガスで、今年二月、愛知県渥美半島沖から三重県志摩半島沖で海洋産出試験を始め、二〇一八年度からの商業化を目指している。

 Q 期待の大きい理由は?

 A 豊富な埋蔵量があるからだ。経産省は、静岡県沖から和歌山県沖までの「東部南海トラフ」で一・一兆立方メートルのメタンハイドレートが埋蔵されているとみている。これは液化天然ガス(LNG)の輸入量の十一年分に相当する。さらに、日本海側を含めた日本近海の想定埋蔵量は七・四兆立方メートルに上るとの推計もある。

 特に日本海側は、メタンハイドレートに加え、佐渡島の南西沖で大規模な油ガス田とみられる地層が見つかるなど、「海洋資源が満ちた地域」(京都府の山田啓二知事)。経産省も本格的な調査研究を進める考えだ。

 Q 日本が資源国になれる可能性は?

 A 新型資源の採取にはさらに技術開発が必要で、時間もコストもかかる上、環境汚染につながるとの指摘もある。ただ自然エネルギーや省エネルギーの普及拡大と同時に自国資源の開発を進めて存在感を高めることは、資源輸出国に足元を見られないような交渉環境づくりにつながることになる。 (岸本拓也)

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https://twitter.com/yourry_2289

上杉隆さん「シェールオイル・国も財界も原発をつくる事が利益を生む存在であった、ある意味で福島を犠牲に新たなエネルギー政策に幅が出てきた事が日本の転換期になるのではないか」

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アウト・オブ・コントロール 福島原発事故のあまりに苛酷な現実

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