「ザ・コーヴ」上映中止、映画監督ら反対声明
和歌山県太地町のイルカ漁を隠し撮りした米ドキュメンタリー映画「ザ・コーヴ」の上映を東京、大阪の映画館が中止した問題で、映画監督、ジャーナリストらが7日、上映中止に反対する緊急アピールを出した。
アピールに賛同しているのは、映画監督の是枝裕和さん、ジャーナリストの田原総一朗さんら55人。アピールでは、「言論表現の自由は、発表の場が確保されてこそ成立するもので、映画館も表現活動の一翼を担う場であることは明らか。言論表現活動に携わる者として、上映中止に反対する」と表明し、上映を検討している映画館に対し、「表現の場を守るという立場を堅持することを切望し、応援する」としている。
〔緊急アピール〕映画「ザ・コーヴ」上映中止に反対する!
先日も取り上げたドキュメンタリー映画「ザ・コーヴ」の上映中止騒動だが、右派団体「主権回復を目指す会」のインターネットによる妨害行動予告により、26日から上映を決定していたシネマート六本木、シネマート心斎橋の2館が上映中止を決定した。
これで都内での「ザ・コーヴ」の上映は一切無くなってしまった。
さらに、同団体は国内の上映予定の16の映画館への抗議行動もよびかけている。
心無い団体により、映画を見る権利すら失われてしまうことに、大変憤りを感じる。これ以上、上映を中止する映画館が出ないよう願うとともに、この動きを伝えていきたい。
さらに本日、国内の映画関係者、作家、弁護士、出版関係者などから、このような緊急声明が出された。
〔緊急アピール〕映画「ザ・コーヴ」上映中止に反対する!
こういう事態が一般化すると、評価が分かれるような問題作というべき映画は上映できないことになってしまいます。そもそも海外では広く公開されているこの映画が、作品で描かれた当事国の日本で公開できないというのは、日本における「言論表現の自由」がいかに脆弱かを示す事柄といえましょう。
この映画の内容や制作手法については、この間、批判も含めて様々な意見や評価が表明されています。そういう作品こそ、広く議論に供されるべきで、作品そのものを封印してしまうことは、その機会さえも奪うことになってしまいます。
言論表現の自由は、発表の場が確保されてこそ成立するもので、映画館も表現活動の一翼を担う場であることは明らかです。私たちは言論表現活動に携わる者として、上映中止に反対します。
また現在、全国の上映予定の映画館に中止を求める電話抗議がなされているようですが、それらの映画館が表現の場を守るという立場を堅持することを切望し、そういう映画館を応援します。
●賛同者(6月7日現在。50音順)
青木理(ジャーナリスト)/有田芳生(ジャーナリスト)/飯田基晴(ドキュメンタリー映画監督)/飯室勝彦(中京大学教授)/池添徳明(ジャーナリスト)/池田香代子(翻訳家)/石坂啓(マンガ家)/石丸次郎(ジャーナリスト/アジアプレス)/岩崎貞明(『放送レポート』編集長)/上野千鶴子(社会学者)/生方卓(明治大教員)/大谷昭宏(ジャーナリスト)/桂敬一(立正大学文学部講師)/北村肇(『週刊金曜日』編集長)/國森康弘(フォトジャーナリスト)/是枝裕和(映画監督)/崔洋一(映画監督)/斎藤貴男(ジャーナリスト)/坂上香(ドキュメンタリー映画監督/津田塾大学教員)/坂野正人(カメラマン/ディレクター)/坂本衛(ジャーナリスト)/佐藤文則(フォトジャーナリスト)/澤藤統一郎(弁護士)/篠田博之(月刊『創』編集長)/柴田鉄治(ジャーナリスト)/下村健一(市民メディア・アドバイザー)/ジャン・ユンカーマン(映画監督)/張雲暉(映画プロデューサー)/白石草(OurPlanet-TV代表)/杉浦ひとみ(弁護士)/鈴木邦男(作家)/想田和弘(映画作家)/田原総一朗(ジャーナリスト)/土屋豊(映画監督/ビデオアクト)/土井敏邦(ジャーナリスト)/豊田直巳(フォトジャーナリスト)/中山武敏(弁護士)/七沢潔(ジャーナリスト)/野田雅也(ジャーナリスト)/野中章弘(ジャーナリスト/アジアプレス)/橋本佳子(プロデューサー)/服部孝章(立教大教授)/林克明(ジャーナリスト)/原寿雄(ジャーナリスト)/日隅一雄(弁護士)/日高薫(ジャーナリスト)/広河隆一(『DAYS JAPAN』編集長)/森達也(作家・映画監督)/森広泰平(アジア記者クラブ事務局長)/安岡卓治(映画プロデューサー)/山上徹二郎(映画プロデューサー)/山本宗補(フォトジャーナリスト)/豊秀一(新聞労連委員長)/李纓(映画監督)/綿井健陽(ジャーナリスト/アジアプレス
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